いつもお世話になっております。Tsuyoshiです。
今回はデジタルタービン($APPS)という会社について紹介したいと思います。
僕はこの会社に資産の大半を投資しており、現在は血まみれの含み損状態ですが、今後1年以内に2倍になる可能性を秘めていると考えているため紹介したいと思います。
目次
$APPSはざっくりいうと米国のマーケティング会社です。まず、事業内容についてざっくり紹介します。直近の決算によると、$APPSの主要な収入源は下記の画像のように、On device media 、Fyber、Adcolonyからの売上になっているようです。
On device mediaとは、スマホアプリの自動プレインストールを可能にするテクノロジーを提供する事業です。$APPSはAndroidのスマホのOEMメーカー(例えばSamusng,panasonicなど)や通信会社をパートナーに迎えて、スマホの中に工場出荷時点でアプリを自動でインストールさせることを可能にします。 僕は、冒頭で$APPSはマーケティングの会社だと述べましたが、自動プレインストールのどこにマーケティングの要素があるんだ?と思ったそこのあなたは優秀です。 この事業では、スマホのメーカーはあくまでパートナーであり、クライアントは誰かと言うと、スマホのゲームアプリの会社や、tiktok、youtubeなどのスマホアプリの開発者となります。下記は$APPSのHPから拝借したクライアントの一覧です。
スマホアプリの開発者は日々、自社のアプリからの収益を上げるために努力しています。そのKPIの一つとしてダウンロード数というものがあります。 従来までは、スマホアプリを消費者にダウンロードしてもらうには、いろんな媒体で広告をうったりして、CVRがどうたらこうたら、みたいな議論をしてやっとのことで限られたごく一部の人にダウンロードしてもらうというコスパの悪いマーケティングをしていました。 しかし、スマホアプリの開発者は気づきました。最初から工場出荷時点でスマホの中に強制的にいれてしまえばよくない?と。 $APPSは、このようにしてスマホアプリの会社に対して、君のアプリも僕達の自動プレインストールのパッケージにいれてあげるから、お金ちょうだい?というように収益化しています。まさにマーケティングのイノベーターです。 この自動プレインストール事業は、$APPSの事業の中で1番の稼ぎ頭となっている事業で、同社の中では比較的昔からやってる商売です。 そんな、$APPSは2021年上半期に、新たなレイヤーからの収益化に向けて、ドイツのFyber社と米国のAdcolony社を買収しました。 21年6月に$APPSによって買収された会社です。Fyberは広告のpublishers がコスパ良く効果的に広告を出せるように、programmatic auction を行うsoftware を提供します。これにより、広告を出したい企業と広告枠を売りたいプラットフォーマーが自動でマッチングされるようになります。 Fyberは、広告枠を買いたい企業と広告枠を売りたい企業の橋渡し的な存在であるが故に、広告枠を買いたい企業に対してはその広告の費用対効果をあげるべく、広告枠を売りたい企業に対してはよりその広告が高い値段で入札されるようwinwinになるように努めています。(同社HPより) 21年4月に$APPSによって買収された会社です。事業内容は、広告を出したいスマホアプリ会社をクライアントとして、動画広告をだす会社です。 adcolonyの最大の強みは、独自の技術により、ラグ0で最速で動画広告をだすことを可能にします。 $APPSは直近の決算直後から21年11月末時点で約40%下落しました。その主要な理由としては、3つ考えられます。 1つ目は、決算で発表されたガイダンスのEPSがアナリストの予想を超えられなかったこと。正確には、予想$0.43に対して同社が提示した数字は$0.41~$0.44のレンジ。すなわち、予想に一致という結果でした。 2つ目は、今期のEPSが赤字化してしまったことです。同社は2019年19月に黒字化を達成しており、そこから着実にEPSを増加させてきました。それが今期はadcolonyやfyberの買収費用がかさみ赤字になり、それに伴いTTMのEPSも減少しました。 3つ目は、gross profit margin の低下です。同社は買収に伴い利益率が大幅に低下しています。利益率は20年6月には44.32%あったのが、今や30%まで低下してます。 以上の3つの要因をうけて、21年11月3日の決算発表直後に大暴落したと考えられます。 しかし、これらの負のファクターがあれど、私は$APPSをナンピンし続けています。次章では、なぜ2021年12月時点で$APPSが投資対象として魅力的なのかを紹介します。 $APPSが魅力的である理由は、主に3つあります。 買収の影響もありますが、売上が爆伸びしています。
YoYの四半期ごとの売上成長率も爆伸びです。直近の四半期では+337%です。That's crazy isn't it?
あの破壊的な売上成長率にも関わらず、$APPSの株価は投資家によってタコ売りされています。株価は直近の最高値から約45%下落。crazyな下げ方です。
安い安いと言っても、ゴミが安いのは当たり前。$APPSは売上が超スーパー伸びてる良質企業なのに、アホみたいに安いです。どのくらい割安なのかvaluationを調べてみましょう。 下記の表は、$APPSとビジネスモデルが類似しているAdtech企業($MGNI $PUBM $APP $TTD)と、各社のmultiple倍率です。
特筆すべきは、$APPSのLTMのP/S ratio (時価総額を直近12ヶ月の売上高で割った割合)です。驚異の7.2倍。最大の競合$TTDのLTMのP/S ratioは44.5倍です。 また、下記のグラフは$APPS自体のP/S ratioの推移です。$APPSは21年3月にP/S ratio34.83xという最高値をつけています。これは何を意味するかと言うと、現在、過小評価されている$APPSが投資家によって再評価されると歴史的には最大でPS ratio 34.83xというvaluationに見直されるポテンシャルがあるということです。
株価は、
「株価=(P/S ratio) × (sales per share)」という公式によって決まるので、もしsales per share(業績)が一定のままで、valuationのみが過去の最高値ぐらいまで見直されると、今の株価から最大で34.83/7.2=4.8倍になるポテンシャルがあるんです!!!! ここで、先ほどの競合他社とのmultipleの比較の表に戻りますが、さらにNTMのP/S ratioに関しては3.6倍です。NTMとはnext twelve monthsの略で、アナリストによる今後12ヶ月の$APPSの売上予想から算出されています。もし、このアナリスト予想通りに売上が推移して株価が1年後に今のpriceと同じだったらP/S ratio が3.6倍になると言うことです。こんなん確定で株価上がるようなもんじゃん笑 さらに、multipleの表から特筆していただきたいものが、$APPSのNTMのP/E ratioです。LTMのP/Eは99.4倍と高水準で割高ですが、1年後には利益の増加の伴いP/E ratioは30倍に収束するという予測が立てられています。(もし1年後もpriceが変動しなかったら。)やすない? 利益が1年後も5年後も黒字化する見込みが立たないグロース銘柄が蔓延る中で、$APPSは買収によりさらにレバレッジのかかった利益の増加を実現する可能性が高いのです。 $APPSのOn device media(スマホアプリの自動プレインストール)には、かなりの独自性があり、この独自性こそが競合他社に対して参入障壁を築きます。 21年11/11に行われた投資家向けの説明会よると、買収によりTAMが$96Bから$369Bに拡大したとのことです
また、買収によるシナジーに関しては、従来のプレインストールだけじゃなくて、lifetimeを通じた一貫性のある訴求をスマホアプリ会社などの顧客に対してできるとのこと。
さらに、個人的には一番期待しているのが現在、アプリの自動プレインストールはandroidのスマホにのみ対応していますが、今後、smart watch、smart glasses、IoT、FSDなど$APPSにとってapplicableなdeviceが増えれば増えるほど、TAMが広がると考えています。 決算直後に$APPSの株価が暴落した理由のところでも触れましたが、直近の四半期で$APPSのEPSはマイナスでした。2019年からはずっと黒字化してきただけに、再び赤字に戻ってしまい狼狽した投資家も少なくないと思います。 しかし結論、私は$APPSのEPSをほぼ気にしていません。というのも、私は2019年に黒字化したばかりの$APPSはまだグロース株に分類されると考えています。このようなグロース株の株式価値を評価する上で、より大切なことは利益よりも、売上だと考えています。 というのも、経営者や会計の知識があるかたならピンとくると思いますが、会社の利益は経費をコントロールすることにより調整可能です。むしろ、節税目的で利益をださないようにして、売上から得られたものを事業を拡大させるための投資に回すことは健全だと考えます。 利益よりもむしろ、利益の根源となるrevenueのほうが大事なのです。 一つ前と同じ理由でほぼ無視していいと思います。 IT企業の一般的な利益率が70~80%などに対して、$APPSの直近の利益率は30%とゴミです。 これは、ビジネスモデル上仕方のないことだと考えています。というのも、現在の1番の収入源となっているOn device media (スマホアプリの自動プレインストール)は、スマホを製造する際にスマホメーカーに対して$APPSのsoftwareを埋め込むように要請します。この条件を飲み込ませるために、P/LにLicense fee and revenue shareと計上されているように、スマホメーカーに金を払います。(たぶん)このrevenue shareの額がCosts of revenuesのうち大きな割合を占めています。その割合はなんと、revenueに対して68.7%!えぐいて。自分達に入ってくるお金のうち68.7%をパートナーさんに配るというなんとも利他的な企業。(皮肉)
しかし、2021,Nov,21に行われたanalyst dayでは、同社は3~5年の長期的な目標として、gross profit margainを32%から35%まで増加させること、revenueをCAGR25~30%で成長させることを見通しとして提示しています。
直近のrevenueがYoYで+337%増加していることや、直近1年でrevenue growthが加速度的に成長していることを前述しましたが、それは単なる買収により売上が増えただけで、その会社の事業自体が成長していると言えないという意見があります(サンプル数1。自分のみ。) これは言い得て妙だと個人的には思ってます。会計上、数字だけ見たら、ちょっとまえの$UPSTや$DOCSみたいに爆発的に売上が成長した企業と$APPSも変わりませんが、前者はその事業自体からの売上が成長しているパターンで、$APPSは現時点では単なる買収効果によってrevenueが増えてるパターンです。 結論、今後adcolonyとfyberの買収によってシナジー効果がうまれ、revenueが爆発的に成長するかどうかは、現時点ではわからず、今後の決算を見守っていく必要があります。ただ、現実問題、買収効果とはいえど、revenueが加速度的に増加していることは事実です。 $FBによるinstagramの買収、$GOOGLによるyoutubeの買収ともに、今となってはその買収が大成功であったことは結果論としてわかりますが、当時に戻ったらその買収が成功であるかどうかを判断するのは極めて難しかったと思います。 ですので、今後の$APPSの決算には刮目すべきです。 以上、デジタルタービン(digital turbine)が買いたくなる記事でした。 本記事が有益だと感じた場合は拡散とブックマーク登録等お願いいたします。 引き続き何卒よろしくお願いいたします。デジタルタービンとは?事業内容について
①on device media
②Fyber
③Adcolony
決算直後に大暴落した理由
$APPSが完全に買いである理由
①驚異的な売上の成長
②圧倒的に割安
③ユニーク性
④今後のポテンシャルがえぐい
$APPSの懸念点
今期のEPSが赤字
直近の決算でのガイダンスのEPSが未達
gross profit marginが低すぎる
買収によりrevenueをカサ増ししてる説
まとめ