インデックス投資や新NISAを始めるにあたって、証券会社の開設が一番最初のステップになります。本記事では、インデックス投資におすすめな証券会社を比較しながら徹底解説いたします。
なお新NISA口座は、原則1人1金融機関でしか作れないないため、一番最初に新NISA口座をつくるための証券会社は慎重に選ぶ必要があります。
新NISA自体について最新版の情報を知りかたは下記の記事をご覧くださいませ。
- 積立NISA(つみたてNISA)とは
- 積立NISA口座をつくなら、楽天証券かSBI証券の2択
- 楽天証券のおすすめポイント【メリット】
- SBI証券のおすすめポイント【メリット】
- おすすめの投資信託
- 分別管理義務とは
- まとめ
新NISAとは
そもそも、新NISAとは簡単にいうと、インデックス投資をするにあたって、本来は株の利益に対して20%の税金がかかりますが、新NISAという国の制度を利用することによってその税金が最大20年分かからないという制度です。少子高齢化によって年金の受給額が減り続ける中、国民の各々が年金に頼ることなく自分で資産形成できるようにするために、国がインデックス投資を推し進めているという背景がございます。
インデックス投資については、下記の記事をご覧くださいませ。
新NISA口座は、原則1人1金融機関でしか作れない
新NISAを始めるにあたって、一番最初のステップが証券口座の開設になるのですが、この証券口座をどこの証券会社で開くかが非常に重要です。
理由はNISA口座は、原則1人1口座しか開設できないからです。すなわち、同時にA証券とB証券の2つでNISA口座を持つことはできません。
※厳密にいうと、一度ある証券会社でNISA口座を解説しても後から、NISA口座を移行することは可能なのですが、手続きが非常に煩雑です。そのため、一番最初の段階でベストな証券会社にてNISA口座を解説することをおすすめします。
新NISA口座をつくなら、楽天証券かSBI証券の2択
結論、NISA口座を開設するなら、楽天証券かSBI証券の2択です。筆者は楽天証券でNISA口座を開設していますが、これから新NISAを始める人は楽天証券かSBI証券のどちらかにしましょう。どちらとも優良な証券会社ですので、個人の価値観に従って好きな方を選択して頂いて大丈夫です。
他の証券会社(マネックス証券,SMBC日興証券,野村證券,大和証券,みずほ証券,LINE証券,松井証券,auカブコム証券など)と比べた時に、楽天とSBIの共通点としては、下記のような点が挙げられます。
・ 母体がしっかりしている
・ つみたてNISA対象の投資信託の取扱数が多い(eMAXISSlim/イーマクシススリムの投資信託を取り扱っている)
・ クレカ積立に対応している(クレジットカードで積立NISAの投資信託を買える)
ネット証券以外でのNISA口座開設は厳禁
先ほど、楽天証券やSBI証券の共通点として、両者ともネット証券であるという点を挙げましたが、これが非常に重要です。
理由は、ネット銀行であるが故に対面での接客がないため、無駄な人件費を抑えることができ、その分手数料などを低く設定することができるからです。これに対して、地方銀行などが対面で勧誘する投資信託は、手数料が非常に高いものが多く情報弱者を搾取するような金融商品しかないです。(手数料=金融機関の利益のため、当然のことですが)
そのため、基本的にはNISA口座を開設するなら、楽天証券やSBI証券などのネット証券が良いでしょう。楽天証券とSBI証券の2つを比べた時にどっちがいいかについては、結論どちらでも良いですが筆者は楽天証券推しです。下記、2社のそれぞれのメリット・デメリットを記載いたします。
楽天証券のおすすめポイント【メリット】
楽天証券のおすすめポイントしては、5点ございます。下記で順に解説いたします。
楽天カード×投資信託の積立が最強【クレカ積立】
楽天証券では、NISA対象の投資信託を楽天カードで購入することができます。もちろん、買った額に高じてポイントも付きますし、支払いを2ヶ月分遅らせることができるのかなりチートです。また、自動積立さえすれば、毎月決まった額が自動でクレジットカードから引き落としされるだけですので、非常に便利です。(証券口座に毎月、現金を入金する手間が省けます)
クレジットカードを積極的に使った方がいい理由に関しては下記の記事をご覧くださいませ。
楽天証券は楽天経済圏を最大限に活かすことができる
楽天証券の2つ目のメリットして、楽天経済圏を最大限に活かすことができます。
例えば、日頃から楽天経済圏を利用している人は楽天ポイントがザクザク貯まっていると思いますが、その楽天ポイントを用いてNISA対象の投資信託を購入することができたり、ポイントから投資信託を毎月買うことによって、楽天市場でのポイントの還元率が0.5%ほどアップしたりします。(筆者は楽天市場よりAmazon派ですが、ふるさと納税の際のみ楽天市場を利用するので助かります)
サイトのデザイン(UI/UX)がみやすい
楽天証券のメリットの3つ目として、楽天証券は国内の証券会社の中でダントツでサイトのデザインが綺麗で、操作方法もわかりやすいです。これに関しては、他社の証券口座のデザインが酷すぎると言い換えることもできますが、資産形成の初心者が一番使いやすいような証券会社といえば、間違いなく楽天証券と言えるでしょう。
マネーブリッジを利用できる
楽天証券のメリットの4つ目として、マネーブリッジを利用することができる点が挙げられます。マネーブリッジとは、楽天証券の口座と楽天銀行の口座を連携させることによって楽天銀行⇆楽天証券間の資金移動をシームレスに行うことができるサービスです。
本来なら、銀行と証券会社は別のものであり、証券会社で株や投資信託などの金融商品を買うには、銀行から証券会社に資金を入金する必要があります。しかし、マネーブリッジに申し込むことによって、楽天銀行にあるお金で、そのまま金融商品を購入することができます。
また、楽天銀行では通常、普通預金の金利が0.02%ですが、マネーブリッジを利用すると金利が0.1%となり、通常の5倍まで増加します。ゆうちょ銀行やメガバンクの金利が0.001%の中、楽天銀行の普通預金金利は0.1%ですから100倍違います。
ハッピープログラムを利用することができる
楽天証券のメリットの5つ目としてハッピープログラムがあります。ハッピープログラムとは、楽天が運営するサービスの一つで、楽天銀行での取引ごとに楽天ポイントや特典など受けられます。
楽天証券の公式ページによると、投資信託の保有で基準残高を達成すると楽天ポイントがもらえます。
また、楽天銀行の公式ページによると、5つの会員ステージによってATM手数料が最大7回/月、振込み手数料が最大3回/月まで無料になるようです。
SBI証券のおすすめポイント【メリット】
次にSBI証券のおすすめポイントについて解説いたします。
三井住友カード×投資信託の積立が最強【クレカ積立】
SBI証券も、楽天証券と同様にクレジットカードによる投資信託の積立ができます。ただ、もらえるポイントがVポイントと呼ばれるポイントでして、楽天ポイントと比べた時の汎用性の高さはいまいちです。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドが買える【(元)手数料が業界最安値】
SBI証券の最大のメリットは、SBIアセットマネジメントが運営する『SBI・V・S&P500インデックス・ファンド』という投資信託を購入することができる点と言えるでしょう。SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは米国のS&P 500に連動する投資信託の中で、2022年12月末時点で一番信託報酬が安い投資信託です。
今までは、三菱UFJ国際投信が運営する eMAXIS slim米国株式(S&P500)が一番信託報酬が安い投資信託として注目されていましたが、近年SBIが本気を出して、業界最安値の投資信託を打ち出してきた背景があります。
eMAXIS slimシリーズの投資信託は楽天証券とSBI証券の両方で買うことことができますが、SBI・V・S&P500の投資信託はSBI証券でしか買うことができません。
おすすめの投資信託
NISA口座を開設するための証券会社を決定するにあたり、やはり買いたい投資信託をその証券会社が取り扱っているかどうかで決めるのもありだとも思います。 以下、積立NISAやインデックス投資を行う上で、おすすめの投資信託をご紹介いたします。
結論から申し上げますと、下記の3択の中ならどれでも大丈夫です。
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)とは?信託報酬なども解説
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)とは三菱UFJ国際投信が運営する投資信託です。
公式の目論見書によると、同投資信託はMSCI ACWI という全世界株式の指数に連動するような投資信託です。
2022年12月末時点で、運用額が4,979億円あり、信託報酬は年率0.1144%となっています。
先進国23ヵ国と新興国24ヵ国の合計47ヵ国の会社の株から構成されており、会社数は2893社です。(参考:MSCI)
構成銘柄としては、下記の画像のようにAppleやMicrosoft、Amazon、TESLA、Alphabet(Googleの親会社)などの米国株を中心にTSMなどの台湾の株や、日本株、イギリス株、中国株、インド株などから構成されています。
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)とは?信託報酬なども解説
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)とは三菱UFJ国際投信が運営する投資信託です。
公式の目論見書によると、同投資信託は米国のS&P 500の指数に連動するような投資信託です。
2022年12月末時点で、運用額が11,600億円あり、信託報酬は年率0.09372%となっています。
構成銘柄としては、下記の画像のようにAppleやMicrosoft、Amazon、TESLA、Alphabet(Googleの親会社)を中心に米国の500社の株から構成されています。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドとはSBIアセットマネジメントが運営する投資信託です。
公式の目論見書によると、同投資信託は米国のS&P 500の指数に連動するような投資信託です。
2022年12月末時点で、運用額が6,423億円あり、信託報酬は年率0.0938%となっています。構成銘柄は、先ほどご紹介したeMAXIS slim 米国株式(S&P500)と変わりません。
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)とSBI・V・S&P500インデックス・ファンドの違いは?
eMAXIS slim 米国株式(S&P500)と、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドの違いは2点あります。
1点目は信託報酬に関して、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)の方が、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドより、0.003%だけ高いです。しかし、0.003%となると、1000万円運用した時に毎年300円だけ信託報酬が高いということであり、誤差の範囲内と言えるでしょう。
2点目は運用額に関して、eMAXIS slim 米国株式(S&P500)が11,600億円なのに対して、SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは6,423億円ほどしかないため、安心感で言うとeMAXIS slim 米国株式(S&P500)のほうが勝るかもしれません。
※投資信託の運用額(皆が預けているお金)が少なると、信託報酬が少なくなり、ファンドマネジャーにお給料を払えなくなってしまうため、ファンド自体が運用終了となってしまう可能性があります。終了になってもお金自体は返ってきますが、つみたてNISAの非課税の期間が最大20年あることを考慮すると、途中でファンドが終了することによって強制的に投資信託を売却(利確)しなくてはならないのは無念です。
また、信託報酬に関しては長年eMAXIS slimシリーズが業界最安値を死守してきた中、2022年にSBIがシュアを奪うために、業界最安値の投資信託を打ち出してきました。
信託報酬=ファンドの利益ですので、当然信託報酬を下げることは自社の利益を少なくすることを意味しますし、この施策によってそれ相応の運用額を集めなくては失敗に終わってしまいます。その観点で言うと、三菱UFJ国際投信が運営する eMAXIS slimシリーズは運用額が最大であり、今後も他社の追随を許さないように信託報酬の値下げが行われるかもしれません(あくまでも私見です。 ※追記:2023年3月15日時点で実際に信託報酬の値下げが行われて0.09372%に変更されました。)
分別管理義務とは
最後に証券会社の開設に伴い、1点補足です。日本には、分別管理義務という法律があります。分別管理について、下記SMBC日興証券の引用です。
分別管理とは、投資家から預かった資産と、証券会社や信託銀行が保有する自社の資産を分けて管理することです。分別管理が行われることで、証券会社や信託銀行、運用会社が破綻した場合でも、投資家の資産は投資家に返還されます。 分別管理は法律で定められており、証券会社などに義務付けられています。
簡単に言うと、証券会社や銀行のお金は分別管理されているため、万が一証券会社が潰れても、お金は返金できるといった内容です。
また、仮に、証券会社が法令に違反して分別管理をおこなっていなかった等の理由で、お客さんの資産を返還できないと言った場合は、投資者保護基金によって国民一人当たりに1000万円までが保証されます。
まとめ
以上、本記事をまとめますと下記になります。
なお、2022年4月より法改正によって、18歳からでも証券会社を開設することができるようになりました。大学生でも親の許可を入らずに、自分で証券会社を開いてインデックス投資を開始できるので、勉強がてらにぜひ。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。 本記事が投資を勉強する上で、参考になりましたら望外の喜びでございます。ブックマークへの追加やTwitterやネットでの拡散も大歓迎です。
引き続き何卒宜しくお願い致します。