本記事ではヘッドハンターである筆者が第二新卒の転職の必勝法を解説します。筆者も実際に第二新卒として年収90万円〜180万円UPのオファーを6社ほどから頂き、納得のいく転職をすることができましたのでその際の体験談も含めて徹底解説します。
本記事の最後には転職活動を優位に進めるためのスプレッドシートのテンプレートを無料で公開しておりますのでぜひご活用くださいませ。
この記事の信頼性について
本記事の信憑性については下記の筆者の情報をご覧くださいませ。
筆者について
- ①2年間中途採用のヘッドハンターとして働いてきました。
- ②実際に第二新卒として転職して年収90万円〜180万円UPのオファーを6社から頂きました。
上記のような経歴をもつ筆者が『第二新卒の転職』について完全版となる記事を執筆しましたのでご参考になりましたら幸いです。
そもそも第二新卒とは?いつまで?
「第二新卒」とは、学校卒業後に新卒で入社した社会人経験が3年未満の若手ビジネスパーソンといった意味でよく使用される言葉です。ですが、企業によってはそれ以上でも受け入れるケースも多いため厳格な基準はありません。
厚生労働省が毎年発表している大学新卒者の離職率統計では、約30%が3年以内に辞めていると言われており第二新卒の割合は年々増加傾向にあります。
第二新卒でも転職を成功させる秘訣を解説
第二新卒でも転職を成功させる秘訣を『ヘッドハンター』である筆者が徹底解説します。ちょっとしたコツを意識するだけで転職を有利に進めることができるのでお役に立ちましたら幸いです。
第二新卒でも転職を成功させる秘訣
- ① 転職エージェントを使うべし
- ② 志望動機の容易や面接対策が必須
- ③ 転職における希望年収の適正値を知るべし
- ④ 転職における面談合格やオファーの確率を知るべし
- ⑤ 【テンプレ無料配布】転職での選考状況まとめをスプレッドシートで管理すべし
- ⑥ 転職におけるリードタイムを知るべし
第二新卒の転職ではエージェントを使うべし
第二新卒の転職を有利に進めるための最初のポイントはエージェントの利用です。転職エージェントとは適切な求人情報を提供等で転職のサポートをしてくれる会社です。
転職エージェントのビジネスモデルとしては求職者の理論年収の約35%ほどを採用フィーとして企業側から受け取り、候補者側からは金銭を受け取らないのが主流です。ですので転職エージェントしても転職希望者が企業からオファーを獲得できるように全力でサポートしてくれます。
転職エージェントを用いるメリットとは?
第二新卒の転職の際にエージェントを用いるメリットは主に下記の4点です。全て無料で受けることができるサービスですので転職の際にはぜひ利用しましょう。
転職エージェントを用いるメリット
- ① 面談対策ができる
- ② エントリーが簡単
- ③ 年収交渉がしやすい
- ④ 転職先の意思決定に関して相談できる
①面談対策ができる
第二新卒の転職の際にエージェントを用いるメリットの1点目は面談対策ができる点です。エージェントは数々の候補者の転職支援の実績があるため企業側が求める人物像をより理解しています。また職務経歴書の添削や面談での自己紹介及び質疑応答に関して壁打ち相手となってもらえる点も便利です。
また社会人経験の少ない第二新卒だからこそ自分の強みを見つけやすくするために、転職エージェントの担当者が「スキルやキャリアの棚卸し」をサポートしてくれます。
②エントリーが簡単
第二新卒の転職の際にエージェントを用いるメリットの2点目はエントリーが簡単な点です。新卒採用の際や直応募の際には企業ごとにES(エントリーシート)や志望事項等を提出したりする必要があります。対して中途採用の転職エージェントを用いれば、最初にエージェント面談を実施するだけで企業ごとへのエントリーに関してはエージェントが代行してくれます。
自分が応募したい企業をエージェント担当者に伝えるだけで企業へのエントリーができるのは非常に便利ですね。
③年収交渉がしやすい
第二新卒の転職の際にエージェントを用いるメリットの3点目は年収交渉がしやすい点です。直応募に比べて間にエージェントが入ることによって年収の交渉がしやすくなります。
例えば、複数社からオファーを獲得できた場合、比較材料となる他社企業からのオファーの存在をエージェント経由で企業に伝えてもらうことによって年収を交渉できることがあります。
またエージェントとしても、転職希望者の年収が上がれば上がるほど彼らの利益(理論年収×約35%)も上がるため、年収交渉には比較的に積極的に協力してもらえることが多いです。
④転職先の意思決定に関して相談できる
第二新卒の転職の際にエージェントを用いるメリットの4点目は転職先の意思決定に関して相談できる点です。第二新卒だからこそ、今後のキャリアや自分の描きたい未来が明確に定まってない場合もあると思います。そんな時に、転職先に関して第三者的な目線からアドバイスをもらえるのは便利です。
もちろんエージェントからのアドバイスを鵜呑みにする必要はありませんが、自分の未来を言語化するのに有効活用しましょう。
おすすめの第二新卒の転職エージェント
第二新卒の転職エージェントは山のようにありますが、実際に筆者も利用したことのあるおすすめのエージェントを以下にてご紹介します。
大手への転職ならリクルートエージェント
1番おすすめの第二新卒の転職エージェントは、ずばり
リクルートエージェント
です。

リクルートエージェントとは、リクルートグループが運営している大手転職エージェントです。母体がリクルートのため求人数が非常に多いのが特徴です。※おそらくリクルートエージェントに登録するだけで他のエージェントが保有している求人の大多数をカバーしています。
また応募から面談調整までの自社システムが非常に優秀です。お好みの求人を検索し応募ボタンを押すだけでエントリーが完了します。エージェント担当者と余計な会話を挟まずに、自分の応募したい企業にのみ簡単にエントリーできるのは非常に便利ですね。

またリクルートエージェントはシフト制を導入しているため平日に限らず土日にもエージェント面談等の予約をできます。平日は現職の業務で忙しい方にとっては非常に便利ですね。

外資への転職ならロバートウォルターズ

外資への転職ならロバートウォルターズ(Robert Walters)がおすすめです。
エージェント面談を英語で済ませた後に、企業ごとの担当からおすすめの求人情報がメールで届きます。
英語を活用した職に就きたい方や外資系企業にチャレンジしてみたい方はぜひ登録してみましょう。
その他の第2新卒におすすめの転職エージェント一覧
転職エージェントによっては仮に登録したとしても、経歴が浅い等の理由でその後の対応が見送られてしまう場合もあります。そういった場合を考慮してまずは第二新卒にも寛容なエージェント一覧をまとめてみました。ぜひご活用ください。※登録しやすいようにリンクが埋め込んであります。
転職エージェントを使う時はできれば2社以上の利用がおすすめ
なお転職エージェントを用いる際にはできれば2社以上のエージェントを利用することをおすすめします。(例:メインに1社、サブとして1社)
エージェントを1社に絞りたい方のお気持ちは理解することはできますが、エージェントを複数社使うことによって下記のようなメリットがあります。
エージェントを複数社使うメリット
- ① エージェントに対して強く出ることができる
- ② 担当エージェントが微妙な際のリスクヘッジ
- ③ 年収交渉がしやすくなる
- ④ 複数の人からの意見を聞くことにより客観性を保てる
各エージェントには、『複数エージェント』を用いている点はわざわざ言及しなくても良いですが、万が一エージェントから理不尽な要求をされた時に最後の手札となるため用意しておくと便利です。
第二新卒の転職では志望動機や面接対策が必須
第二新卒では社会人としての経歴が少ないからこそ志望動機の準備や面接対策が必須となります。以下では、それぞれについてポイントを解説します。
退職理由を他責にしない
第二新卒の面談の際に必ず聞かれる質問の一つが『退職理由』及び『転職理由』です。その際に退職理由が他責に聞こえないように留意しましょう。例えば本当の退職理由が以下に該当したとしても不平不満に聞こえないように工夫しましょう。
退職理由のダメな例
- ① 現職の年収が低い
- ② 現職の上司との人間関係
- ③ 現職の仕事がつまらない
逆に良い退職理由の例は下記のとおりです。基本的には総悲観せずにポジティブに言い換えましょう。
退職理由の良い例
- ① 今のキャリアを活かして更にチャレンジしたい
- ② 今のキャリアも活かした上でキャリアチェンジしたい
志望動機や転職理由は自分のwillと会社のwillが重なるように企業ごとに作る
第二新卒の転職では面談時に志望動機や転職理由を質問される場合が多いです。その際には求人情報に記載されている必須条件や求めている人物像に沿うような形で志望動機を作成しましょう。
ただ企業ごとに志望動機を作成するのも大変なので、自分のコアな部分は曲げずに企業の求人情報に沿う形で事前に準備しておくことをおすすめします。

次は長く働く意思があることを伝える
また、第二新卒の転職の面談では『次は長く働く意思があることを伝える』をしっかり伝えましょう。理由は、第二新卒に対する企業側の1番の懸念は『早期離職』だからです。
冒頭にお伝えしたとおり、企業側はエージェントに対して理論年収の約35%のフィー(数百万円)を支払っています。また採用に関する人事担当者の工数等を考慮しても入社して数ヶ月で退職されてしまうと企業側にとっては大きな痛手となります。
上記の懸念を払拭することが第二新卒が企業からオファーをもらうための必要条件です。
転職での面談対策にChatGPTを活用する
また転職での面談対策にChatGPTをフル活用しましょう。例えば、エージェント面談や実際の企業との面談で『質問されたが回答に困った質問』等があった際にはメモっておきましょう。その後、振り返りとしてchatGPTに壁打ちするとより最適なアンサーを得ることができ、次に活かすことができるかもしれません。
プロンプト例①:『マーケティングのキャリアの専門性を高めて、その先に何を描いているのか。』という質問を中途採用の面接でされたとします。最適なアンサーの案を10個考えてください。
プロンプト例②:エンジニアにキャリアチェンジしたい時に、最適な志望理由の案を10個考えてください。
転職における希望年収の適正値
次に転職における希望年収の適正値を解説します。自分を過大評価/過小評価することなく優位に転職を進めるためにお役に立ちましたら幸いです。
10%~20%UPが平均
転職における希望年収の適正な上昇率は10%~20%UPが平均です。もちろん経験年数やその方の経歴によりますが、希望年収を現職の年収よりも上げる時には平均値から大きく逸脱しないように留意しましょう。
希望年収を適正値よりも大きく掲げてしまうと、書類選考通過率が大幅に減少したり、そもそもエージェント担当から見放されてしまうので注意が必要です。
逆に希望年収を低く見積り過ぎてしまうと、転職というせっかくの年収UPの機会を逃すことになるのでこちらも注意が必要です。
最低希望金額は低めに設定し、複数のオファー獲得で年収を釣り上げる
転職において年収UPを優位に進めるポイントが1点あります。それはあえて最初の希望金額は低めに設定した上で複数企業からオファーを獲得し、獲得したオファーをもとにその後の企業からの年収を釣り上げる方法です。
例えば第一希望の会社をA社、第二希望の会社をB社とします。B社には希望金額を500万円と伝えた上でオファーを獲得できたと仮定します。その後、本命のA社との最終面談の段階で『実は他社のB社から500万円でオファーをもらっており、志望度としては同じぐらいなので金額面が少しでも良ければA社に即決させていただきたいです。』と伝えましょう。
そうすることによって、本来B社の存在がなければ年収500万円で落ち着いてたところを比較材料を与えることによって500万円+αで帰結させることができます。
担当エージェントに注力してもらうコツを伝授
また転職エージェントを利用して最高条件のオファーを獲得するにはエージェント担当者からの協力が必須です。そのためには担当エージェントから自分自身に注力してもらう必要があります。
背景としては、転職エージェント(営業マン)も利益を追い求めている都合上『候補者が対応に値する人材か』等をエージェント面談等で見極める場合が多いです。
そのため、人柄が良くない人材や経歴と希望金額が乖離している人材などの『面談に不合格になってしまう確率の高い人材』を事前にスクリーニングする必要があります。ですので、エージェント面談ではつらつらと自分の希望だけを述べるのではなくしっかりと自分が魅力的な人材であることをアピールしましょう。
また面談の日程調整等の担当エージェントとのやり取りに関してもコツがあります。自分から即レスを心がけたり、エージェントからお勧めされた求人をとりあえずエントリーだけはしてみる等の誠意を見せることによって最終的に自分にとってより良いオファーの獲得に繋がるでしょう。
転職における面談合格やオファーの確率を公開
中途採用のフローに関しては、『エントリー⇨書類選考⇨複数回面接⇨オファー』の場合が多いです。その際に各選考からの推移率を事前に把握することによって、何社と面談を受けるべきなのかや自分の進捗の良し悪しを知ることができます。
自分は中途採用の転職エージェントのヘッドハンターとして働いてきたため、特別に各種推移率の参考値を下記に共有します。
各選考の推移率の参考値
- エントリー⇨1次面談:20%
- 1次面談⇨2次面談:30%
- 2次面談⇨3次面談:60%
- 3次面談⇨オファー:50%
よって逆算すると、1オファーを獲得するには55社へのエントリーと11社からの1次面談が必要ということになります。※あくまでも平均値となるためご参考までに。
こうみると、選考初期段階は変に選り好みせずエントリー(応募)の回数を増やしていくことがいかに重要かがわかってくると思います。※実際は途中に適性検査等や、エンジニアの場合コーディングテストが挟む場合もあります。
転職での選考状況まとめのテンプレートを配布(スプレッドシート)
転職での選考状況まとめのテンプレートを特別に公開します。料金は結構ですので、ぜひ本記事を各種SNS等にて拡散して頂けますと非常に嬉しいです。
docs.google.com
ダウンロードののち、コピーしてご使用くださいませ。
転職におけるリードタイムは?
転職におけるリードタイム(期間)は約1ヶ月〜3ヶ月の場合が多いです。ざっくりとしたフローは下記のとおりです。
転職のフロー
- ①職務経歴書の作成
- ②エージェントへの登録
- ③エージェントとの面談
- ④求人への応募
- ⑤企業との面談
- ⑥オファー獲得
- ⑦現職への退職交渉
事前に転職のリードタイムを把握した上で逆算して行動を開始しましょう。
退職交渉のおすすめの時期は?
退職交渉を開始するおすすめの時期は希望の企業からのオファーを獲得した直後です。
理由としては、退職交渉の際に確定事項として他社からのオファーを報告することによって激しい引き止めを極力避けて強く出ることができるからです。メンタル的にも既にオファーを獲得した段階で退職交渉した方がスムーズにいく場合が多いです。
また企業によってはカウンターオファーという選択肢も出てくる場合があります。現職への不満が正直ない場合や転職自体を躊躇してる際に、他社からのオファーをきっかけに現職での処遇が改善される場合があります。
実際に第二新卒として転職してみた(体験談)
実際に筆者も第二新卒として年収90万円〜180万円UPのオファーを6社ほどから頂き、納得のいく転職をすることができました。
私は新卒で都内のスタートアップに入社し1年11ヶ月ほど勤めました。実はもともとは『新卒は最低まるまる3年ほど勤めないと転職できない』という神話を信じておりましたが、実際に転職活動をしてみたところ複数社から高評価を頂くことができました。
転職活動は例え転職の意思が固まっていなくてもやってみる価値は大いにあると筆者は考えます。理由は下記です。
理由
- ①現職の職務の棚卸しに活用できる
- ②描きたい未来と現在のGAPを把握できる
- ③自分の客観的な市場価値を知ることができる
- ④現職へのモチベーションUPにつながる
- ⑤外部の方からの意見を聞くことができる(井の中の蛙を避けることができる)
本記事を通じて、第二新卒の方が勇気を持って転職活動を進めるきっかけになりましたら望外の喜びです。
まとめ
以上、本記事をまとめますと下記になります。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。第二新卒の方にとって参考になりましたら望外の喜びでございます。ブックマークへの追加やTwitterやネットでの拡散も大歓迎です。
引き続き何卒宜しくお願い致します。