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インデックス投資とは?投資信託の基礎をわかりやすく簡単に解説

インデックス投資とは?わかりやすく簡単に投資信託の基礎を解説

インデックス投資とはどのような投資手法でしょうか。本記事では株式投資の基礎中の基礎であるインデックス投資について、3つの原則とメリット・デメリットを解説しつつ、インデックス投資の平均利回り実際にどのようにして始めることがことができるのかについて分かりやすくご紹介いたします。

結論 インデック投資とは、上場している会社の銘柄を全て時価総額順にまるっと買って市場全体の成長の恩恵を受けようとする投資手法
インデックス投資の3大原則は「長期・分散・積立」
インデックス投資は労力に対してコスパが良い
インデックス投資の平均利回りは3%〜9%/年
インデックス投資を始めるには、投資信託を選んで証券口座を開設して積立設定するだけ

インデックス投資とは

インデックス投資とは

インデックス投資とは、市場全体の動きを表す代表的な指数(インデックス)に連動した成果を目指す投資手法のことです。 指数(インデックス)とは個別の会社の株を時価総額に比例させて組み合わせたもののことで、具体的に代表的な指数として、S&P500やNYダウ、ACWI、東証株価指数(TOPIX)などが挙げられます。

すなわち、インデックス投資とは、個別の会社の株をピックアップして買うのではなく、上場している会社の銘柄を全て時価総額順にまるっと買って市場全体の成長の恩恵を受けようとする投資手法と言えるでしょう。

インデックス投資の3大原則は長期・分散・積み立て

インデックス投資の3大原則は長期・分散・積み立て

インデックス投資には「長期・分散・積み立て」の3つのルールがあり、全てを厳守する必要があります。下記、その3つのルールについてご説明いたします。

インデック投資の第1原則 長期投資

まず、インデックス投資の第1原則は「長期投資」です。長期投資とは1日〜1ヶ月などの短期で売買するのではなく、一度そのインデックスファンドを買ったら最低でも15年〜30年は売ることもせず保有する投資手法のことです。

長期で保有することによって時間分散の効果があるため、短期的な株の値動きの影響を受けずに長期的な市場の成長を享受することができます。

また、長期で保有することによって複利効果を享受することができます。株には配当金(インカムゲイン)と譲渡益(キャピタルゲイン)の2種類の利益がありますが、インデックス投資によって得られた配当金を再投資することによって複利の効果を得ることができます。複利で運用すると、時間に対して指数関数的に運用額が増加していきます。よって長期保有することによって、たとえ最初の投資額が少なくとも時間が味方となり複利の効果を最大限に活かすことができます。

実際に複利の効果を用いることによってどのぐらい資産が増えるのか気になる方は下記の記事をご覧くださいませ。

lifeisafarce.hatenablog.com

インデック投資の第2原則 分散投資

次にインデックス投資の第2原則として、分散投資が挙げられます。冒頭に述べたように、インデック投資とは個別の会社の株をピックアップして買うのではなく、市場全体の株を時価総額加重平均型で買うような投資手法です。

例えば MSCI ACWI (オール・カントリー・ワールド・インデックス)は世界の先進国(23カ国)と新興国(24カ国)の上場会社の株式を時価総額比率で組み合わせたインデックスで、この指数に連動した投資信託(ファンド)を買うことによって、全世界の株式をまるっと保有することができます。

MSCI ACWI に含まれる上位10銘柄(時価総額順)
MSCI ACWI に含まれる上位10銘柄(時価総額順)

投資信託ETFについて詳しく知りかたは下記の記事をご覧くださいませ。

lifeisafarce.hatenablog.com

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このように、市場全体の株をまるっと保有することによって、分散投資の効果が期待されます。例えば、A社の株に全財産を投資した場合と、A社とB社の2つの会社に半分ずつ投資した場合を比べてみましょう。仮にB社の株価がA社の株価と逆相関の(反対の値動きをする)場合、A社が倒産して株価が0になったとしてもB社の株価が2倍になり、全体としてプラマイ0になります。このように、逆相関の銘柄を複数組み合わせて株式を保有することによって、全体の値動きをマイルドにすることができます。

インデックス投資こそが、リスク(ボラティリティ)に対してのリターンが最大化されるということは、ノーベル経済学賞を受賞した『現代ポートフォリオ理論』によって説明されています。詳しくはこちらの記事をご覧くださいませ。

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インデック投資の第3原則 積立投資 (ドルコスト平均法)

インデックス投資の第3原則として、積立投資が挙げられます。積立投資とは、一定のタイミングで一定の額を投資する手法のことです。

株式投資といえば、株価が安いタイミングで株を買って、株価が高いタイミングで売ることをイメージする方も多くいるかと思います。しかし、このタイミングを読んで売買するということはプロの機関投資家でも難しく、個人の投資家にとっては尚更難しいのが現実です。

そんな中、積立投資によって一定のタイミングで一定額を投資することによって株の平均購入単価を平準化することができます。すなわち、株価が割高なタイミングで一括で買ってしまうことを防ぐことができます。逆に株価が割安なタイミングでは、通常よりも多くの口数を購入することができます。このような投資手法はドルコスト平均法と呼ばれ、世界中の機関投資家によって利用されています。

なお一定のタイミングと申しましたが、世界的には1ヶ月に1回の頻度でインデックスファンドが購入されていることが多く、1日単位で買っても1ヶ月単位で買っても、あまりリターンは変わらないということが過去50年分のデータからわかります。

インデックス投資のメリット・デメリット

インデックス投資のメリット・デメリット

インデックス投資には様々なメリット・デメリットが存在しますので、下記でご紹介いたします。

インデック投資のメリット

①運用成績がいい

インデックス投資のメリットの一つ目として、シンプルに運用成績が良い(リスクに対してのリターンを最大化させやすい)ということが挙げられます。

インデックス投資の名著である「ウォール街のランダム・ウォーカー」では、 実際にプロの機関投資家やファンドマネジャーがの平均的な運用成績は、大体において市場平均を下回っているというと述べられています。詳しくは下記の記事をご覧くださいませ。

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また、先ほどご紹介した現代ポートフォリオ理論でも、著者であるハリー・マーコウィッツは、全世界の株式を時価総額加重平均型に保有したポートフォリオこそがリスクに対してのリターンが最大化され最も合理的であると述べています。

②手間がかからない

インデック投資の2つ目のメリットとして、手間がかからないということが挙げられます。というのもインデック投資のやり方は、インデックスファンドを毎月一定額買い増していくだけだからです。

今の時代ですと楽天証券SBI証券で、自動の積み立て設定ができるため、実質やるべきことは最初の積み立て設定のみです。それ以降は、特に何もやるべきことがありません。

そのため、インデックス投資は一部の人に「脳死・思考停止」と揶揄されることがありますが、労力をかけずに市場平均のリターンを享受することができるのは、インデックス投資の最大のメリットです。

また手間をかけずに運用資産を管理するにはGoogle Spread Sheeetがおすすめです。詳しく知りかたは下記の記事をご覧くださいませ。

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③投資知識がなくても始めやすい。

インデックス投資の3つ目のメリットとして、投資知識がなくても始めやすい点が挙げられます。株式投資の他の手法として、主にファンダメンタル分析テクニカル分析が挙げられますが、ファンダメンタル分析は企業が四半期に1回出す決算書を読み込む必要があったり、テクニカル分析は毎日株価のチャートをみて売買するタイミングを図らなければいけません。

一方でインデックス投資は、先ほどご説明した通り、投資するインデックスファンドを決定して積立の自動設定をするだけです。投資すべきインデックスファンドさえ間違えなければ猿でもできる投資手法となっています。

逆にインデックス投資でも失敗してしまう例もあります。具体的に知りかたは下記の記事をご覧くださいませ。

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④少額からでも始められる。

最後にインデックス投資のメリットして、少額からでも始められるという点が挙げられます。

投資を敬遠する人の理由として最も多いのが、「投資に必要なまとまった資金がない」という言い訳です。インデックス投資では、ドルコスト平均法を用いて毎月決まった額を投資するだけでして、その額は人それぞれ違います。毎月10万円の余剰資金がある人は10万円投資できますし、毎月1000円から始めたい人は1000円からでも始めることができます。※例えば、「emaxis slim 全世界株式」というACWIに連動するインデックスファンドを1000円分買った場合は、そのうち3.44%(34円分)がAPPLEの株に投資されます。これはそのファンドを運営するファンドマネジャーがやってくれます。(割合は随時変わります。)

また前述した通り、長期でインデックスファンドを保有することによって複利の効果を期待することができるため、少額の投資でも20〜30年後にはかなり大きい額になっています。

下記、金融庁のサイトで資産運用のシミュレーションができるためぜひお試しになってみてください。複利インパクトを実感することができると思います。

www.fsa.go.jp

インデックス投資のデメリット

インデックス投資にもデメリットがあります。下記デメリットを十分に理解することによって、20〜30年以上もの間売却せずに長期投資を続けることができると考えておりますので、注意してご覧くださいませ。

①信託報酬などの運用コストがかかる

インデックス投資の1つ目のデメリットして、信託報酬(Expense ratio)がかかることが挙げられます。この信託報酬とは、簡単にいうとファンドマネジャーのお給料です。インデックファンドを我々が購入した際には、代わりにそのファンドのファンドマネジャーが運用してくれます。

個別株を直接自分で購入する際には、このような信託報酬などはかかりませんがインデックスファンド(投資信託)を保有する際には、信託報酬が毎年保有額の数%ほど自動で徴収されますのでご留意くださいませ。※信託報酬の手数料はファンドによって異なります。

②市場平均以上のリターンは見込めない

インデックス投資の2つ目のデメリットとして、市場平均以上のリターンは見込めないということが挙げられます。個別株への投資ですと、時には1年で2倍以上になる銘柄も複数ございますが、インデックス投資ではそのようなロマンは望めません。インデックス投資は非常に堅実な投資手法と言えるでしょう。

③時間がかかる

インデックス投資の3つ目のデメリットとして、まとまったリターンがでるのに時間がかかるということが挙げられます。

リスクがかなり抑えられている分、目に見えた大きなリターンが出るのに時間がかかるため、辛抱強くない人は途中で辞めてしまうケースが少なからずございます。

そのため、一度インデック投資の積立設定をしてしまったら、あとは忘れてひたすら放置するスタイルをおすすめします。(初心者の方にとってはこれが割と難しいのですが..)

④投資に関する知識が身につきづらい

インデックス投資の4つ目のデメリットとして、投資に関する知識が身につきづらいということが挙げられます。

インデックス投資は初心者にとってハードルが低い投資手法であることが故に、最初の積立設定以外は思考停止で行うことができます。いくらニュースを見ても決算書をチェックしても、やること・実践することはただただドルコスト平均法を用いて投資信託ETFを買い増していくだけですので、努力すべきことがなく成長が実感できないと感じられる方もおられるようです。

⑤大暴落のダメージを全部受ける

インデックス投資の5つ目のデメリットとして、2008年の金融危機や2020年のコロナショックのような市場全体の株価が歴史的に大暴落したタイミングで、全ダメージを受けることが挙げられます。

もちろん、大暴落の前に株を売り抜けることができればそれに越したことはありませんが、何度も申し上げているように売買のタイミングを図ることはプロの機関投資家でさえも難しいことです。仮にタイミングを図って、大暴落の直前に最高値で売り抜けようと思って株を売却した結果、蓋を開けてみたら、売却したタイミングが一番底だったというケースが一番最悪です。

よって、インデックス投資は大暴落の際に全ダメージを受けてしまうことは仕方のないことですし、大事なのはその大暴落のタイミングでもなお、積立投資をし続けて平均購入単価を下げ続けることです。そうすることによって初めてインデックス投資の真価が発揮されます。

インデックス投資の平均利回り

次にインデックス投資の実際の平均的な利回りをご紹介いたします。ここでは、ACWI(全世界のインデックス)とS&P500(米国全体のインデックス)の2つをご紹介いたします。

こちらのインデックスを運営する会社の公式HPより入手できる、一番古いデータから一番新しいデータを参照すると、それぞれの平均リターン(CAGR)は下記の表のようになりました。※CAGR=年平均成長率(幾何平均)=(累計リターン)(1/集計期間)

インデックス  集計期間 累計リターン(※米ドルベース) 平均リターン(CAGR)
ACWI 1987年末~2022年末 +531.69% 4.89%
S&P500 1987年末~2022年末 +1561.07% 8.16%

上記の表より、全世界株式のインデックスを35年間保有した際の平均リターンは4.89%/年となり、米国株のインデックスを35年間保有した際の平均リターンは8.16%/年となりました。

こちらの値は2022年12月時点の値となっており日々変動する値となっていますが、データの集計期間が長く、2001年のITバブルの崩壊や2008年の金融危機、2020年のコロナショック等の歴史的に大暴落を含んだ集計期間となっているため、ある程度妥当だと言えるようでしょう。

これらの平均リターンに幅を持たせると、全世界株式の投資信託の平均リターンは3%~5%、米国株の投資信託の平均リターンが6%〜9%といったところでしょうか。

おすすめの投資信託

おすすめの投資信託

それでは、実際にインデックス投資を開始するにあたってどの投資信託を買えばいいのでしょうか。

結論から申し上げますと、手数料・コストの低さ、運用額の大きさから判断して、eMAXIS Slim 全世界株式」 または 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の2択になります。

米国の未来を信じれる方はeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)にして、米国に加えて中国や日本、ヨーロッパ、インド等の株も持っておきたい方はeMAXIS Slim 全世界株式 にすべきです。

筆者はどちらとも保有しておりますが、目論見書によるとeMAXIS Slim 全世界株式の実際の中身は61.4%が米国株で構成されているため、値動きとしてもほぼ同じような値動きをします。ただ、ボラティリティ(価格変動のしやすさ)がeMAXIS Slim 全世界株式のほうが小さくマイルドに値動きします。

おすすめの投資信託ETFについて詳しく知りかたは下記の記事をご覧くださいませ。

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インデックス投資の始め方

インデックス投資の始め方

では実際にインデックス投資を始めるにはどのようによろしいのでしょうか。

簡単に流れだけご説明しますと、下記のようになります。

インデックス投資の始め方 【STEP 1 】 投資信託を決める(eMAXIS Slim 全世界株式 または eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の2択)
【STEP 2】 証券口座を開設する(楽天証券SBI証券の2択)※18歳以上であれば口座開設できます。
【STEP 3】 積立NISAの口座も開設する
【STEP 4 】 自動積立の設定

おすすめの証券会社や、おすすめの投資信託については下記の記事をご覧くださいませ。

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また2024年からは新NISAが開始しました。新NISAについて詳しく知り方は下記の記事をご覧くださいませ。

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実際にインデックス投資をやってみた結果

筆者は2020年の9月にインデックス投資を開始して、eMAXIS Slim 全世界株式 と eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を毎月5万円〜10万円ほど積み立ててきました。その累計リターンと含み益が下記の画像です。

インデックス投資の累計リターン
インデックス投資の累計リターン

2022年の12月末時点で、投資額1,500,000円に対して、203,789円のリターンがあります。約2年間放置するだけででほぼ労力なしで20万円稼げるのは大きいですよね。

まとめ

以上、本記事をまとめますと下記になります。

最後までお読みいただき誠にありがとうございました。本記事が投資を勉強する上で、参考になりましたら望外の喜びでございます。ブックマークへの追加やTwitterやネットでの拡散も大歓迎です。

引き続き何卒宜しくお願い致します。

僕が使用している取引所 ビットコインを買うならコインチェックで

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